jazzっぽいの、好き?

アクセスカウンタ

zoom RSS 鈴木康博 / LIVE “FORWARD”@T-FMホール

<<   作成日時 : 2005/02/09 03:23   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

画像
 昨年の12月にオフコース時代のセルフカバー・アルバムを発表した鈴木康博のライブ『FORWARD』が2月5日、東京・半蔵門のT-FMホールにて行われた。

 最近のライブは弾き語りのワンマンがほとんどの彼が、年に1〜2度東京で行うか行わないかのバンド・スタイルでのコンサートであることに加え、この日の演奏曲目の中心は当然にオフコース・ナンバーになるだろうことから、チケットは即日完売。古くからのファンが、今も彼=yassさんの音楽に求めているものが何かを如実に表していると言えるだろう。曙橋のBack in Townのような親密なスペースで食事とお酒を楽しみながら観るアコースティックなワンマン・ライブも悪くなけど、バックバンドをつけてIbanezのARを持って歌うyassさんを、やっぱりファンは観たいのだよ。



 2000年11月以来となる、このこぢんまりしたT-FMホールの客席(キャパシティ300程度)は当然に満席だ。少々じらされるように予定時刻を10分ほどオーバーさせて、yassさんがチェリー・サンバーストのARを手にし登場。サポートメンバーはもうすっかり現在のYass-BANDと言っても差し支えないだろう、吉岡誠司(b,cho)、宮良直哉(Dr)、小原信哉(g)の3人。今回はキーボードレスの構成だった。

 1曲目は多分ノリ良くアップテンポ・ナンバーで来るのだろうとは思ってはいたが、なんと今回のアルバムでは再演されなかった“ランナウェイ”で意表をつくスタート。イントロでのオーバードライブがかけられたyassさんのARがチョーキングで唸りを上げると、ドラムのキックとともに観衆もごく自然にハンドクラップ。アレンジもオフコースのバージョンそのままとあって会場の興奮もいきなり最高潮だ。そして終わるや否や、軽快なカッティング・ストロークから2曲目の“恋を抱きしめよう”が続く。yassファンに人気の高いこの2曲を連発することで冒頭からしっかりと盛り上げ、観客をグッっと掴んでしまったのはさすがだった。

 挨拶程度のMCを挟み、“君におくる歌”でやや会場をクールダウンさせて聴き入らせると、今度はディレイを効かせたイントロから“素敵なあなた”が始まる。クラビネット無しでの演奏はちょっと寂しいのだけれど、この曲のソロは数多あるyassさんのギターソロの中でも僕が最高のプレイだと思っていた、大好きな1曲だ。そして爽やかなそのメロディに反し、あの当時のオフコース・ファンにはまるでグループ脱退表明のようにも聞こえる歌詞が哀しかった“愛のゆくえ”と3曲をたて続けに演奏した。

 そうだ、考えてみればこの3曲のミディアム・テンポには、いずれもオフコースに対する決別を暗示していたかのような言葉が織り込まれていたんだと、今更ながらここで思い出す。yassさんが辞めてしまうかもしれないとの噂に不安になっていたあの頃の気持ちが鮮明に蘇って来て、ちょっとだけ感傷的になる。これらをこの日のライブで続けて聴かせて貰えたのは、僕個人的としてはとても感慨深いものだった。


 僕が洋楽好きだから無理矢理こじつけてるだけなのかも知れないが、yassさんが他のメンバーと比して積極的に新しい音楽の色々な要素を取り上げていたのは確かなことだったと思う。例えば“素敵なあなた”や同じく『I LOVE YOU』(1982)に収録の“揺れる心”などのサウンドに漂う、それまでのアメリカ/AOR的作風とは明らかに違った陰りのあるブリティッシュ感覚。その昔に初めて聴いた時、この辺りのサウンドのムードに僕はオリビア・ニュートン・ジョンの大ヒットアルバム『PHYSICAL』のソングライターでプロデューサーであるジョン・ファラーを思い起こさせられたものだ。

 どちらかと言えばコンサバティブな印象の小田和正が正統派ソフト&メロウのAOR路線で、好いバランスで80年代始め頃のふたりの趣味はばらけていた。また、“愛のゆくえ”を聴いて、そのヴォーカル・スタイルにビージーズのバリー・ギブを思い浮かべるのは、決してあの頃の僕だけでは無いと思う。もしオフコースがダメだったとしても食いっぱぐれないように(本人談)、アレンジの勉強をしっかりしていたせいもあるのだろう、時のトレンドや注目されるサウンドを自分の音楽にすくい上げて咀嚼、消化するのがyassさんは上手かったのだ。

 でも、ただただ流行の美味しいトコ取りだけをしているワケじゃない。yassさんはやっぱりファルセットが好きなんだろうなぁ。ジョン・ファラーもバリー・ギブもファルセットを上手く使うアーティスト。ついでに言っちゃうと、『Anyone』収録の“Lady Lady”に色濃く影響を感じさせる“YOU MAKE ME FEEL LIKE DANCING”のレオ・セイヤーもファルセットの名手だ。常にそのへんの研究は怠っていなかったってコトだろう。


 MCを終えるとアコースティックにギターを持ち替えyassさん自慢の1曲、いつ聴いても素敵な“潮の香り”を。“青春”“雨よ激しく”と懐かしいオフコース・ナンバーを続けてから、再びちょっと長めのMCでひと休み。話題はもちろんこのリメイクアルバムの製作についてのこととなるため、当然にオフコースに因んだ話がメイン。小田さんの月曜組曲の話題から、ハリー・ベラフォンテなどを一節歌いつつ、音楽をやり始めたきっかけなど若かりし頃のふたりの微笑ましい昔話も語ってくれた。yassさんが小田さんのことをこんなふうに話すなんて、ね。

 そんなMCの中でも僕が笑ってしまったのは、誰になんて言われようとも我が道を行く、ってな具合に「好きな人だけ付いて来て下さい」みたいな憎まれ口(笑)をず〜っときいていたyassさんが、「押しつけるだけじゃなく喜んで貰えるのが一番です」という趣旨の話をしたとき。
そうです。やっと気がついてくれましたか、そこに(笑)。

 ここでサポートメンバーが一旦下がり、弾き語りで“失恋のすすめ”をコミカルに楽しく、“ 恋人よそのままで”を小粋でお洒落に、“ ロンド”をしとやかに落ち着いたムードで聴かせてくれた。1曲ごとの拍手がまたそれぞれに長くて、yassさんも感激の面持ち。それだけみんなも聴いてて嬉しかったってことだよね。

 再びメンバーを戻して最近のソロ曲を4曲ほど。TV「途中下車の旅」でお馴染みの“Dream Dream Dream”には抵抗無いだろうけど、今日のようにたくさんのオフコース・ナンバーから引き続き聴いていると、どうしても毛色に違いが有るのは否めないかなぁ・・・。“アイデンティティーって何?”なんかはスティービー・ワンダーに対するオマージュに溢れてて、サウンド的にはとっても面白い曲なんだけど・・・。

 普段からお付き合いしていないと、歌詞の世界があまりにも違い過ぎるのだと思う。聴き馴れているファンは良いとしても、オフコースのみが目当てのいにしえのファンには「野球を知らない長嶋さん」云々は解って貰えないよねぇ〜(苦笑)。

 まあ、ともあれ、終始ノリノリで楽しいコンサート。ラストに用意されていたのは『FORWARD』の1曲目で唯一の新曲“明日の風に吹かれて”だった。そして、アンコールはyassさんのライブでは初めて見たよの、ほぼ全員総立ち。ハッキリとは確認出来なかったけど、yassさんは親指と人差し指で熱くなった目頭を拭っていたようないないような・・・。最前列で観ていた友人は、ちょっと泣いてたみたいだよと言っていた。そうだよね、いつまでもカーテン・コールは鳴りやまず、予期せぬ2回のアンコール。サポートの3人はもう終わったつもりで私服に着替えちゃってたくらい(笑)だったんだから、yassさんもやっぱり感激しちゃったんだろうね。


 アルバム発売直後、ファンの集うBBSでは現在のyassさんの声について、ずいぶんな書き込みも見られて正直イヤになるような、悲しい気分にもなった。実は今回のコンサートもそんな気持ちを引きずってしまい、観なくてもいいやと思っていた僕は、チケットがいつから発売になるのかさえ記憶に留めなかった。誰だって20代と50代後半の声帯が変わらない方がおかしいんだ。なのに、小田和正と言う余りに特異な事例がファンの心すぐ近くに存在しているため、較べられるyassさんに心ない声が向けられる。この日、この会場でyassさんの歌を心から楽しんだ人達の中には、そんな思いやりの無い輩は絶対に居ないと思うけど。

 でもね、やっぱり観に行って良かったよ。
いつも応援してるからね。がんばれ、yassさん!
 


01. Run Away
02. 恋を抱きしめよう
03. 君におくる歌
04. 素敵なあなた
05. 愛のゆくえ
06. 潮の香り
07. 青春
08. 雨よ激しく
09. 失恋のすすめ
10. 恋人よそのままで
11. ロンド
12. Believe In Our Smile
13. Keep On Running
14. アイデンティティーって何?
15. Dream Dream Dream
16. 一億の夜を越えて
17. のがすなチャンスを
18. 明日の風に吹かれて

アンコール1
E1. 汐風のなかで
E2. いくつもの星の下で
E3. でももう花はいらない

アンコール2
E4. のがすなチャンスを
E5. Run Away



チケット譲ってくれたKさん、Kさんが余らせてしまっているのを教えてくれたEさん、感謝です。
yassさんのライブはみんなと会えるから楽しいね、やっぱり。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「鈴木康博」でブログ検索してみました。
「 鈴木康博 」の検索結果で、「jazzっぽいの、好き? .. 」さんを紹介させていただきました。つながり系サイトです。 ...続きを見る
日刊カタログ
2005/05/12 12:59

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
人様のブログにコメントするのは初めてなのでちょっと緊張しております。
先日は遅くまでお疲れ様でした。
予想以上に盛り上がったすばらしいライブでしたね。
アンコールでの総立ちには正直私も驚きました。
オフコースナンバーもソロの作品も、個人的に好きな曲をたくさん歌って
頂いたので大満足でした。
これにあと♪SAVE THE LOVE、♪夜はふたりで、♪メインストリートを
つっ走れ が入ればカンペキです(笑)
yk2さんは私と違ってあまり喜怒哀楽を表に出さないタイプのようなので、
ライブ後も「どうだったのかな…」と気になっていましたが、「観に行って
良かった」と言って頂いて私もうれしいです。
でも、直接言ってくれれば良かったのに〜(笑)
なんちゃってトライリンガル
2005/02/09 23:25
なんちゃってトライリンガルさま、いらっしゃいまし。
ハンドル長いよー(笑)。
ブログには書かないって言ってたクセに、結局書いてしまいました。だって知ったトコ見ても曲目以外は誰も書いてないからなんとなく・・・(苦笑)。
それにしても、演奏中に飲み食い出来ないライブは久し振りだったのでちょっとクチが淋しかったです(笑)。
次、またやってくれるならSTB139がいいですね〜、やっぱり。
yk2
2005/02/10 00:23

コメントする help

ニックネーム
本 文
鈴木康博 / LIVE “FORWARD”@T-FMホール jazzっぽいの、好き?/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる