jazzっぽいの、好き?

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<<   作成日時 : 2005/01/09 18:35   >>

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 「最後に会って指輪を返したいの」 
そう電話口で云う彼女の言葉に、僕はすぐには何も答えられなかった。

 あれは君が自分で選んだものなんだから、出来れば僕の事とは切り離して持っていて欲しい。もしそれが出来ないと云うのなら、今は何も云わずに、僕に知らせないままに捨てて欲しいと伝えた。

 彼女はただ黙って、それ以上何も話さなかった。

 まだ真夏のような日差しがいつまでも残る、去年の秋のことだった。


 
 半年前の、僕にしてみればほんの些細なひと言がきっかけになって、ふたりは離れる事になった。
「そんなつもりで云ったんじゃない」
「あなたは冷たいわ」
そんなやり取りを、電話やメールで何度もしたけれど、よじれてしまった気持ちはもう元には戻らなかった。

 とにかく会って話そうと云った彼女と、結局僕は最後まで逢えなかった。
「こんな大事な話を電話で済ますの?」
彼女はなじるように僕を責めたけど、逢えばきっと、一時の感情からそのままに別れに向かうような気がして、お互いに怖かったのだと思う。
僕が逢おうと云えば、今度は彼女が躊躇った。

 ほんの些細なひと言は、あくまでも事の引き金に過ぎないのだ。
彼女の心の中には満たされないものが幾つもあったはず。
それに気付いていながら何も出来ない僕は、彼女と逢える時が幸せであるのならそれでいいと思っていた。

 同じ事を何度も何度も繰り返しながら、ただ時間だけが通り過ぎていった。



 昨日、何の前触れもなく突然に彼女から荷物が送られて来た。
その中の白い封筒には、手紙も添えられずに、ただあの指輪だけが入っていた。

 僕は、初めてそれを自分の手に取り、じっと見つめた。
あんなに長く一緒に居たのに、ちゃんと見ていなかったんだね

 彼女が選んだ、小さな真珠の載ったその指輪に、そっと指を通してみる。
そう云えばあの時も長い喧嘩をして、その仲直りに君がせがむからふたりで買いに行ったんだ



 小さな指輪は、僕の薬指のなかほどで止まった。
 
 これでよかったのかい?
間違っていない?
 
 やわらかだった彼女の手と、やさしかったその指を思う。
コートのポケットの中、初めて手をつないで歩いたあの冬の日の夜を思う。


 なみだが、ぽろぽろと、こぼれた。



“RIBBON IN THE SKY” / Fried Pride
 〜 『THAT'S MY WAY』 (2004)

if allowed may I touch your hand
and if pleased may I once again
so that you too will understand
there's a ribbon in the sky for our love    ( by Stevie Wonder )


※フライドプライド web site : http://www.friedpride.com/
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