Everytime We Say Goodbye

気分はずっとコール・ポーターの“Everytime We Say Goodbye”です。
さよならを言う度に「 I die a little」なのでございます。
先週末から、まさに「change from major to minor」な気分で、なんだかとっても淋しいのです。
金曜の晩も、翌土曜の夜も、都内某所の同じリストランテで食事をしました。ここ5年間くらい月に2回くらいのペースで通ったイタリアン。駅からそんなに離れていないのですが、地下と言う事もあってちょっと隠れ家のような場所で、こぢんまりとして静かで、落ち着いて食事と会話の出来る大好きな店です。
友達20人くらいで小さな同窓会めいた事もやらせてもらったし、デザートが毎々1品に選べないからプレートでちょーだいだの、買ったワイン持ち込みさせてね、でもごめんね、イタリアンじゃなくてナパなんだけど・・・(めちゃ失礼なハナシ)などなど、普通だったら嫌な顔されても仕方無いような我が儘、いつも聞いて貰いました。
そこのオーナーが、今月いっぱいで店の直接の経営から手を引いて、南の島へ引っ込んでしまうと言うのです。まだ50歳そこそこなのに・・・。
お店はこの後、店名も内装も全く変わらないそうですが、スタッフは全員変わってしまうそう。
事の起こりは、オーナーがずっと日本での親代わりの様に育てて来た、まだ去年30歳になったばかりの若いのシェフの移籍でした。まぁ、無理もないのです。イタリア人でない彼が足掛け5年イタリアン作って、それでもやっぱり自国の料理の研鑽を積みたい、もっと勉強したいんだ!と思ってしまった気持ちもよく解るから。
オーナーは快く彼を、彼の母国の大先輩がシェフを務める銀座の高級店に送り出してあげました。
その彼の後任として、某超有名イタリア料理店出身の新しいシェフがやって来ました。しかし、さすがに舌にそれほど自信の無い僕にしても味の変わり様は歴然です。この人が作るものが美味しくないとか、そんな事でなく、いつもと同じ店で同じものを頼んで、出て来たものが普段と違ってしまうと、どうしても違和感を覚えてしまうのです。明らかに今食べたものの方が美味しくなければ、「あれ、今までの方が・・・」って思ってしまうんですよね。同じメニューでも、師匠や修業先が違えばまったく違ったものになってしまうんだなぁ、なんて具合に。
料理店にとって調理人さんが変わるという事は、よくよく大変なことなのですね。
オーナーもここ5年、育てたシェフと二人三脚で頑張って来たので、彼が辞めたことでガクっと力が抜けてしまったみたい。去年の夏の終わりに「ここだけの話なんだけどね、実は年が明けたら南の海でのんびりと暮らすつもりなんだ」と、打ち明けられました。
「え~、勘弁してよー、とっつきにくいAB型の○○さんとこうして気軽に話して貰えるようになるまでいったい幾ら使ったと思ってるの~!。散々通って我が儘聞いて貰えるように投資して来たんだから~。」
そう、このオーナー、結構打ち解けるまでは気難しいタイプだったので、かなり苦労したんです。
#因みに僕もABだったりしますけどね・・・(苦笑)。
「へへへっ、ごめんね。」って言いながら笑う彼の顔は、やっぱりどこか淋しそうでした。
残りはあと、丁度1週間。
ささやかな幾つかの楽しい思い出のあるあの店も、時とともに全く違う場所に変わって行ってしまうんだなぁと思うと、やるせなくて。
やっぱり誰に何と言われようとも、めちゃくちゃ、淋しいのです。
写真は最後に行った時にみんなで飲もうと思って、預かってもらうつもりで持って行った1987年のバルバレスコ。サクっと軽く金曜の2本目に開けられてしまいました。バルサミコになってなくてよかったね(笑)。
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