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zoom RSS ステイシー・ケント / IN LOVE AGAIN

<<   作成日時 : 2005/10/19 21:03   >>

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 めっきり秋らしくなって来たせいか、このところしっとりとしたヴォーカル・アルバムを手に取ることが多い。そんな中でも特にへヴィー・ローテーションなのがN.Y.生まれで英国在住の女性ジャズ・シンガー、ステイシー・ケント『IN LOVE AGAIN』だ。柔らかな秋の陽が差す気持ちの良い午後に、どこからともなく風に乗って香る金木犀のようにさりげなく爽やかで、そして誰からでも愛されるだろう穏やかなステイシーの歌声は、まさにこの季節に聴くのにピッタリだ。(と、書いてから何日も放っておいたら、このところすっかり雨の日ばっかりなんですけど・・・苦笑)

Stacey Kent's official web site : http://www.staceykent.com/

【 Jazz / vocal 】
Stacey Kent
- The Music Of Richard Rodgers -
『IN LOVE AGAIN』
(2002)

01.SHALL WE DANCE? (Rodgers/Harmmerstein)
02.BEWICHED, BOTHERED AND BEWILDERED (Rodgers/Hart)
03.MY HEART STODD STILL (Rodgers/Hart)
04.IT NEVER ENTERED MY MIND (Rodgers/Hart)
05.I WISH I WERE IN LOVE AGAIN (Rodgers/Hart)
06.THOU SWELL (Rodgers/Hart)
07.IT MIGHT AS WELL BE SPRING (Rodgers/Harmmerstein)
08.NOBODY'S HEART -BELONG TO ME- (Rodgers/Hart)
09.I'M GONNA WASH THAT MAN RIGHT OUTTA MY HAIR (Rodgers/Harmmerstein)
10.THIS CAN'T BE LOVE (Rodgers/Hart)
11.IT'S EASY TO REMEMBER (Rodgers/Hart)
12.MANHATTAN (Rodgers)
13.BALI HA'I (Rodgers/Harmmerstein)

■Stacey Kent (vo), David Newton (p), Jim Tomlinson (ts,fl), Simon Thorpe (b), Colin Oxley (g), Jasper Kviberg (dr)
2001年7月3、4日&9月7日録音


 とにかく、ステイシー・ケントの声が好き!。
他にもお気に入りの女性ヴォーカリストは何人もいるけれど、彼女は僕の思うところの3指に入る大好きな声の持ち主。軽やかにアップ・テンポを歌っても良し、切ない思いをしみじみとバラッドに乗せても良しの、チャーミングかつキュートでスタイリッシュなジャズ・シンガーだ。
 加えてこのアルバムは、好きなスタンダードの作曲家を誰か一人挙げてみて、と訊かれたならば、先ずはコール・ポーターと並べてどちらの名前を先に出すべきか延々と悩んでしまいそうな、これまた大好きなリチャード・ロジャースの楽曲ばかりを集めた作品集。これでもか〜!ってくらいロマンティックで小粋な名曲達が全編に渡りずらりと並べられている。


 オープナーの@は、勿論皆さんよくご存じだろう役所広司&草刈民代のあの映画のテーマ曲“SHALL WE DANCE?”。スウィング感たっぷりにリズムを刻むギターのストロークとドラムスのブラシに軽やかなピアノ。思わず肩を揺らし一緒にスキャットで口ずさみたくなるくらいキャッチーなベースラインと、バックの演奏もすこぶる付きの気持ち好さ。そこに乗るステイシーのヴォーカルたるや・・・。語彙が少ないので同じ褒め言葉の繰り返しになってしまうのが悲しいが(苦笑)、本当にチャーミングかつキュートでスタイリッシュ!。
 Aは一転してぐッとスロウに。こうしたしっとりとした曲での彼女もとても良い。ちょっと聴いた限りではボサノヴァ・シンガーの様にあまり感情移入しないスタイルに近いとも思えるのだが、聴き込む程に表情豊かに歌詞の世界の中に、深く、優しくいざなってくれる。因みに歌詞は、ロジャースとのコンビは黄金の組み合わせとされているロレンツォ・ハート。またこの間奏で聴かれる歌心満載のテナー・サックス・ソロを吹いているのはトレイシーの夫君、ジム・トムリンソン
 再びアップ・テンポで「あなたを一目見たその瞬間から私のハートは止まってしまった」と恋に落ちた喜びを軽やかに歌うBをはさみ、Cは再びスロウのジグザグなテンポ構成。その息遣いから誰もがスタン・ゲッツを思い浮かべるだろう夫君ジムの、せつなさ満点のテナー・ソロに導かれて始まる。このアルバムで僕が一番好きな歌がこれ。
“IT NEVER ENTERED MY MIND”

 Once you told me
 I was mistaken
 That I'd awaken with the sun
 And order orange juice for one
 It never entered my mind

 いつかあなたは言った 私は間違っていると
 朝日とともに目覚め
 一人分のオレンジ・ジュースを注文することになるんだって
 そんなこと 思ってもみなかった
って、なんて上手に「ひとり」を侘びしく滲ませるレトリック表現なんだろう。R・ハートの巧みなリリックにただただ脱帽。ステイシーの、まるで遠くをぼんやりと眺めながら、ひとり情景を思い出しながら呟くような歌唱も当然に胸に染み入る出来映え。内容はちょっと哀しい歌なんだけど好いんだな〜、これが。
 本当の名曲ばかりが揃っている捨て曲無しのアルバム故に、書こうと思えば幾らでも字数が増えてしまうのだけれど、是非にも必ず聴いて欲しいのがF“まるで春のよう”。ロンドン在住の邦人シンガー・石原江利子のアルバムにも参加している、ステイシーのバンドのレギュラー・ギタリスト、コリン・オクスレーの爪弾くボッサ・ギターとのデュオ・スタイルでメランコリックでありながらも爽やかな仕立て。ここにまた間奏でジムのテナー・ソロが絡むのだけれど、これがC以上にゲッツそのもので、その傾倒振りに聴いてるこちらもつい笑顔になる。これは夫婦でゲッツ&ジルベルトのスタイルでやりたかったんだろうね〜。ホントに長くなったから以下は略すけど(苦笑)、ピアノ伴奏のみの洒落た雰囲気のIもとってもお薦め。なんてったって彼女は元々がN.Y.っ子なんだから。


 このアルバム、僕は歌詞/訳詞が載せられているからという理由でKing Recordからリリースされた国内盤を買いました。それに添えられている寺島靖国さんのライナー・ノーツに書かれていることがとっても可笑しく、全くだと膝を打つ楽しい文章なのでここに引用させて頂きます。
 「ケイコ・リーカサンドラ・ウィルソン綾戸智絵を絶賛する書き手はたくさんいる。ぜんぜん不自由してない。しかしステイシー・ケントを初めとするキュート系、可愛系をほめる人はそうたんといない。ぜんぜん不自由しているのである。
 なぜほめるといけないのだろう。謎である。謎をといてみよう。
キュート系をほめるとバカにされると思っているからである。
 コケンにかかると思っているのである。男子一生の仕事としていかがなことかと。そんなことはない。断じてない。人々は皆、美しい人の美しい歌を聴きたいのである。
 アートというのはそれが高みに昇れば昇るほど建前が横行しはじめる。本音で語られなくなる傾向にあるのである。
 ジャズがそのいい例というのは皆さん先刻ご存じであろう。
せっかくビギナーがジャズのボーカルを好きになろうとしてもいきなりビリー・ホリデイを聴かされたらどうだろう。
 自信を持って言うが、10人のうち5人は「やめとこ」になる。いや、7人。いや10人だ。
 そんな歌手をグレイトだと言って推めるな友、と私は今、コブシを振り上げたところだ。
 急にムラムラと怒りが湧いてきたのである。
 ステイシー・ケントを真先に推選すれば間違いないのである。

(以上ライナー・ノーツ原文のまま)」


 いや、ちょっと過激な表現部分も少々ございますが(笑)、本当にその通り。全く異議無しでございます。こんな素晴らしい推薦文が、CDを購入してからでなければリスナーの目に触れないのでは全く推薦文たる意味を為しません。購入前のファンにこそ届かなくてはいけない!と思い、ここに一部、勝手に載せさせて頂きました。是非ともこの寺島さんの解説も読んで欲しいな。「そこまで言っちゃって良いんですか〜?」みたいなトコロもなきにしもあらず、ではございますが・・・(笑)。

 「人々は皆、美しい人の美しい歌を聴きたいのである」
女性ジャズ・ヴォーカル・ファンにとって、まさに至言でございますね・・・。


※↓は輸入盤でジャケット違いです。こっちの方が綺麗かな?(笑)
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