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zoom RSS アナ・マリア・ヨペック / SECRET

<<   作成日時 : 2005/09/08 12:50   >>

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 ショパン、連帯のワレサ議長、ナチ侵攻に因る第2次世界大戦の勃発、そしてアウシュビッツ。たったこれだけが、僕がポーランドについて頭に思い浮かべた全ての事柄。不勉強極まりないけど、改めて考えてみれば、僕はこの国の事を何一つ正確には知らない。現在の国家元首の名前も、何が重要な産業なのかも、文化どころか、有名な食べ物の名前ひとつでさえも。
 そんなふうに縁遠い遙か東欧の国から、一人の美しく魅力的な女性ヴォーカリストが現れた。その名はアナ・マリア・ヨペック

Anna Maria Jopek's official web site :
http://anna-maria-jopek.com/

【 Jazz / Adult Contemporary 】
Anna Maria Jopek
『SECRET』
(2005)

01.I BURN FOR YOU
02.DON'T SPEAK
03.INSATIABLE
04.CHERRY TREE
05.SECRET
06.THE WIND
07.MOONDANCE
08.A THOUSAND YEARS
09.UNTILYOU SLEEP
10.ONLY WALTER
11.ALL THE VIRTUES

■Anna Maria Jopek (vo), Pawel Zarecki (p,programing), Leszek Mozdzer (p), Marek Napiorkowski (g), Cezary CKonrad (dr), Robert Kubiszyn (b), Slawomir Kurkewicz (b), Robert Majewski (tr,flg), Marcin Kydrynski (g) and more...
録音日記載無し オリジナルリリース:2005年


 ポーランドの歌姫、アナ・マリア・ヨペック
もし彼女の名前を、以前からとうに知っていたという人が在れば、そのお方はかなりマニアックで、確実に一家言お持ちの欧州ジャズ/女性ヴォーカル・ファンでいらっしゃるはず。

 そんな方達以外に、次に彼女の存在を意識していたのは、パット・メセニー経由で彼女の歌を聴いた人、もしくは聴きたかった人だろう。僕もこちらの後者。全面的にパットが客演し、“ARE YOU GOING WITH ME”を始めとして、彼の楽曲にアナがポーランド語の歌詞を載せて歌っているというアルバム『Upojenie (Rapture)』(2002)は、遠からず手に入れて聴いてみたい1枚だった。

 けれどもポーランド語は僕にとっては全く未知の言語。歌詞の内容や意味は勿論、曲のタイトルでさえどうしたって読めないこのアルバムを、なんの解説も付かない只の輸入盤で購入するのはさすがに躊躇ってしまい、最終的には食指が伸びなかったんだなぁ・・・(苦笑)。

 ポーランド語に尻込みしていた、そんな僕を置き去りにして(笑)、アナへの世界の注目と期待は、このパットとの共演で次第に大きく膨らんで行く。ついには彼女の最新作『SECRET』はユニヴァーサルUKを通じての配信が決定。全編英語で歌われたこのアルバムは彼女待望の世界デビュー作品となり、ここ日本でも7月21日に発売されたと言うわけだ。
 

 アルバムはスティングの@でスタートするのだけど、カヴァーと知らなければそのままオリジナルかと思う程に咀嚼され、しっかりと彼女のものにされている。彼女のルーツであるスラブ民族の伝統音楽の匂いが漂う。それもモンゴルの侵入から伝播したであろう東洋的なものとのミクスチャー。あまりエスニックなムードを好まない僕だけど、これには聴けば聴く程引き込まれてゆくのが自分でもよく分かる。彼女の愁いを帯びたヴォーカルは様々な感情を内に秘め、まさに静かに燃え上がる青い炎のよう。のっけからベスト・トラック。

 Aはセンチメンタルなムードのトランペットに導かれ、Aギターがボッサタッチに爪弾かれ儚く響くスロー・ナンバー。一歩間違うとひたすらウェットなムードに成りがちな愛の終わる時、別れの情景を歌っているこの曲は、180度イメージが違いそうな(?)ノー・ダウトのカヴァー。

 長くなり過ぎてしまうので(苦笑)、以降は簡単に紹介すると、ダークで重いムードのピアノ伴奏のみで歌い切るヴァン・モリソンのFはカヴァーの解釈が新鮮。Dはやはりエスニックな味付けのタイトル・チューン。ソプラノの使い方がこちらもスティングの影響下に在ることを思わせるアンニュイなEとコンテンポラリ色が強いIは僕のお気に入りだ。


 アナについての詳しいプロフィールはUniversal Jazzのサイトにある彼女のページを読んで頂くとして、彼女が生まれた1970年、ポーランドは未だ旧ソ連の影響下にあって、彼女が幼かった頃は民主化運動の真っ只中だった。ワレサ氏の「連帯」を中心とした労働者階級の大きな暴動があったのが80年で、翌年に戒厳令。総選挙が行われ社会主義体制が崩壊するのがようやく89年6月のこと。彼女が二十歳を迎える直前だ。

 女性として若葉の様に一番に瑞々しく在って然るべき青春の頃を、彼女は激しく揺れ動いた国家の動乱や社会体制の変動の中でずっと過ごさねばならなかった。永くポーランドの人々達の悲願で在り続けた民主的独立への渇望の中、彼女はどんなふうに育ってきたのだろう。ごく普通の女の子として同世代の男の子に恋することもあったのだろうか。幸か不幸か、全てに恵まれた日本で生まれ育った僕等には想像も着かない「抑圧」との闘いの中に在って・・・。

 このアルバムのラストを飾るJに、僕より少し年下ではあるけれど、ほぼ同世代と言っていい彼女の歌声に、そんなことを強く考えさせられた。これはポーランドに生まれ育った彼女だからこそ世界へ発信出来るメッセージだ。深く噛みしめるべし。
“ALL THE VIRTUES”

 All the virtues
 Dear to heaven
 Are fading forever
 Before my eyes

 Of all those pleasures
 Just one remaining
 I still love you, my enemy


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