jazzっぽいの、好き?

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zoom RSS CHIARA CIVELLO "LIVE@Motion Blue yokohama"

<<   作成日時 : 2005/05/11 12:45   >>

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 mi piacere molto !!!
ここのところ、僕が一番に聴き続けているアルバムは、イタリアはローマ生まれのキュートなシンガー、キアラ・シヴェロのデビューアルバム『LAST QUARTER MOON』。しみじみ、優しくて心地好いアルバムなんだな、これが。


◇ユニバーサルミュージック web site
キアラ・シヴェロ


 襟元と袖口を飾るショッキング・ピンクの羽、如何にもイタリアンテイスト漂う色鮮やかなキルティングのジャケットと、陽の光に亜麻色に映る髪と瞳。その人懐っこそうな笑顔が素敵な、CDのフロントを飾る彼女のポートレイトを見ていると、このアルバムにもローマの黄金の太陽を連想させるような、明るい音楽が詰め込まれているのだろうと想像したのは、決して僕だけじゃない筈だ。

 だけど、このアルバムのタイトルは『下弦の月』。そこにあるのは月あかりの青く銀色の世界。柔らかく仄かな光差す、夜の静謐に満つる優しさと孤独とを同時に窺わせる声と言葉。

 でも、彼女の作る音楽は、悲しみの殻に閉じこもったままの絶望の音楽じゃない。

 「月の終わりは新月の始まり=何かの終わりは何かの始まり」

 そう、彼女はたとえ今は打ちひしがれる程悲しくても過去に追い縋らない。自分がそこから抜け出さない限りはこの悲しみから逃れる術が無いことを知っているから。

 キアラの歌は切なく繊細で、そっと話し掛けるかの様に優しく、そして穏やかに聴く者の心に染み込んで来る。気が付けば繰り返し繰り返し、彼女の歌ばかりを聴き続けている僕がいる。


 そんな彼女の歌に直に触れたくて、5月8日にMotion Blue yokohamaで行われたライブの1stステージに出掛けて来た。

 連休最後の日曜日。この日は普段の設定より大分早い、陽がまだ暮れない5時30分に開演予定だ。Motion Blueのステージ右側奥の窓から、はっきりと海が見えるくらいに未だ明るい外の景色が、今ひとつこれからライブを観るのだと云う気分にさせてくれない。

 それでも定刻に照明が落とされ、アルバムのレコーディング・ミュージシャンでもあるAlain Mallet(key)、Dan Rieser(ds)に、Ben Butler(g)、Richard Hammond(b)を加えた4人のサポートのメンバー達がステージに上がった。オーディエンスの拍手の中、彼らが1曲目のイントロを奏で始めると、それに合わせてキアラもステージへ。曲はブラジリアン・テイストたっぷりのサウンドにイタリア語を乗せて歌う“ORA(今)”だ。リズムに合わせ体もグルーヴさせながら、感情をコントロールするかのようにキアラがクールに歌い始める。

 初めて見た彼女は、思ったより小柄な女性だ。アルバム・ジャケットの色鮮やかなコスチュームから一転、プレーンな白の綿麻の様に見えるカジュアルなジャケットに黒のインナー、ボトムはデニムというシンプルな、いや、むしろ飾り気の無い、と云った方がぴったりのスタイルでの登場は、ファッショナブルなイタリア女性をイメージしていた僕にはちょっと意外だったかな。


 彼女はまだアルバムを1枚リリースしただけの新人シンガー。当然この日演奏される楽曲のほとんどはそのデビューアルバムの『LAST QUARTER MOON』から、と云うことになるのだが、このアルバムの作品には1本、共通する芯が通っている。

 それは「愛する人と離れても、自分が追いかけて行かなくてはならない道を進む」と云う彼女の実体験から生まれたテーマ。

 この作品の創作に取りかかる2002年、彼女は自ら決断し、6年間付き合った恋人と別れてしまったんだそう。これは彼女にとってはとても大きな出来事だったらしい。たとえ自分から切り出した別れと云っても傷付かない筈も無く、彼女は歌うことで悲しみから解放されるべく、この作品に注力したのだと云う。

 それでも彼女の「失恋の歌」が最終的にどこか爽やかに感じるのは、彼女が好きだと語るブラジルのサウダージの精神(=哀愁に浸っているようで「でも明日があるさ」と云う前向きな希望は失わない)を内包させているからなんだろう。悲しみにくれていながらも、最後には「だいじょうぶだよ、なんとかなるよ」って笑顔を見せてくれるような。それは、たしかに哀しい笑顔ではあるんだけれども・・・。
(※このへんのエピソードについては国内盤の伊藤なつみさんのライナーに詳しく載せられていますのでご参照あれ)


 来週の日曜日、彼女は今度はBlue Note TOKYOでのライブをまだ1本控えているので、内容についての細かなことは書かない様にして来たけれど、最後に敢えてこれだけは言っておいてしまおう。

 リズムに身を委ねながら、終始にこやかに微笑んで歌う彼女のパフォーマンスからは、アルバムに強く滲んでいた繊細なセンチメンタリズムは明らかに薄れている。実際のライブの方がよりエモーショナルだと聞いていた僕にも、ちょっとばかり肩すかしだったかも知れない。

 でも、それは僕ら聴き手から見て、彼女が今この場で歌うことが嬉しくて嬉しくて仕方ない、ってふうに見えるからこそ感じることであって、にこやかな彼女を好意的に思いこそすれ、アルバムほど歌に深い感情が込められていない、なんてヤボなことは言わないよ。6年間付き合った恋人よりも、自分の道を選んだ今の彼女は、ちゃんと別の幸せを手に入れているんだろうね。

 とても爽やかな気持ちにさせてくれる、いいライブだったと思う。日曜日に、もう1回聴きに行っちゃおうかなって、今本気で考えているくらいだから。
 
 そうそう、屈託無く最後にキアラが言った、「好き好き大好き〜」の発音があまりに上手だったのには笑ってしまった。誰に習ったんだか・・・(笑)
※最後にちょっと一言追記。
彼女に対してノラ・ジョーンズのフォロワーのような捉え方をしている人も居るみたいだけど、僕にはもっと単純に、ジョイスなど普通にボサノヴァ・シンガーに対する憧憬の方がよっぽども強いんじゃないかと思えてしまう。確かに言わんとすることは解らないでもないけど、簡単に「癒し系」みたいな言葉で一括りにしちゃったらキアラが可哀想だと思うな。マスコミの人はそう言っちゃった方が一般へイメージ伝えるの、ラクなんだと思うけど。
Last Quarter Moon
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