jazzっぽいの、好き?

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zoom RSS 「クールな奴はジャズが好き」

<<   作成日時 : 2005/01/16 21:59   >>

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 僕はjazzが好きだ。でも詳しくなんかない。
トラディショナルでもビ・バップでもコンテンポラリでも、自分が聴きたいと思ったものを他人の評価にとらわれず自由に聴きたいだけだ。
だから正直に言うとガチガチのjazzマニアの人とjazzの話をするのが、とっても苦手だったりする。

 こんな人と運悪くカウンターで並んでしまったことがある。
自分がアナログプレーヤーの無い店で飲んでいるのをハナから承知して居ながら、「この盤はやっぱりヴィニールじゃなきゃ音が薄っぺらくていけないね。CDにはアナログのノイズから伝わるライブの空気が何も感じられないよ。」なんて、したり顔して言い放つ。こんな無神経な評論家さんにはレコードから伝わるライブの空気は繊細にも感じられるらしいが、今自分のいる店の空気も他の客のシラけ具合も全く伝わらないのが不思議なところだ。

 そんな人は大概決まり切って自分がカテゴライズするところのjazz以外は大嫌いだったりするものだ。未だにパット・メセニーをして「ああ、フュージョンの人ね」なんて、見下した言い方しているのを見たりした日には、こんなおっさんがいるからjazzはカビくさいなんて言われるんだよ、なんて心の中で思いっきり毒づいてやりたくなるのだ。

 マイルスやエヴァンスがjazzなのは世間様では至極当たり前なハナシなのかも知れないが、パットやジョンスコだって僕にはあったり前にjazzだ!。リトナーだってL5で“4 on 6”をプレイすればそれはFusionではなく当然にjazzだし、もっと極論させちゃえば、フライド・プライドの二人がハード・ロックの権化のようなディープパープルの“SMOKE ON THE WATER”をやってるのだって立派に、いや、絶対にカッコいいjazzだと僕は思う。



 好き嫌いは誰にでも有る。だから否定はしない。でも自分の趣味や聴き方を人に強要するのもいただけない。例えば、チャーリー・パーカーが薬漬けだったのを知らないで彼のレコードに夢中になってる人が居たって、それはそれでいいじゃないか。そのミュージシャンの生き方を知るのも音楽を楽しむひとつの方法だろうけど、聴き手がピュアに音から受けるインスピレーションだけで楽しめるなら、その音以外に余計な説明が要らないんだ、演奏者にしてみればよっぽど嬉しいんじゃないの?。LP1枚楽しむ前に、先ずバードの伝記を読んでみろだなんて、全く以て本末転倒。呆れてものも言えなくなる。

 ただ勿論、“奇妙な果実”みたいにアメリカ南部の黒人差別について何も知らないで、何も考えないで聴いても理解出来ないだろう曲もあるし、レディ・デイの哀しみは、彼女の生い立ちを聞いていればこそ、更に人の胸を打つものであると言うことも理解する。けれど、それでも尚押しつけられるものではないと思うのだ。

 残念ながら、そんな困った?jazzマニアに何回か出会ってしまった僕は、何かとっても特別な体験をしているのだろうか?。いや、どうもこう言う御先達が多いのは、たまたまだよと、簡単には否定出来ない事実のような気がしてならないのだ。



 そんなふうに考えて、気難しそうなjazzファンから少し距離を置いている僕が、1月14日付けの産経新聞の総合欄に掲載されていた『クールな奴はジャズが好き』と言う記事を読んで、かなり、グッと来てしまった。この記事はジャズファンには有名な通称「ジャズ・タクシー」の安西敏幸さんが過去に乗せられたジャズファン達にまつわる話の幾つかを紹介しているものだ。安西さんは過去にも同様の取材を受けておられるので、トランクに真空管を積んだこの特異なタクシーをご存じの方も多いことと思う。

 ここに取り上げられている安西さんの乗客=jazz好きたちの、なんとクールでストイックで、そして情熱的なことか。是非ともご紹介したく、産経新聞のWEB上に掲載されていればそのURLを記したかったのだが、残念ながら未だ無いようなので、仕方なく拙文に引用させて頂くことにした。記者は「東京特派員」の湯浅博さんだ。

 −新宿では悪相の三人組が乗ってきた。助手席のチンピラが「音を消せ」と毒づいた。すると後ろの兄貴分が慇懃に「運転手さん、これはコルトレーンでしょ。音量を上げて下さい」と訂正した。「この曲は17分かかりますから、少し遠回りしてくださいな」と付け加えたものだ。

 ビシッっと三ぞろいで決めた検事が乗ってきて、ステレオを聴くなり豹変したことがあった。ネクタイを緩め、指を鳴らし、リズムに体をゆすった。車を降りるときには、またビシッと最初の検事バージョンに戻ったことが可笑しい。

 (中略)
 七十過ぎの紳士が、癌研究センターから退院するときは辛かった。どこで聞いたか、「ジャズ・タクシーで帰りたい」と予約を入れてきた。リクエストは、亡き人を偲ぶマル・ウォルドロンの「レフト・アローン」だった。
 哀愁おびたピアノの旋律がもの悲しい。横浜の自宅に着き、「いや、最高のライブでした」といわれたときに、思わず涙がこぼれた。息子さんから彼の死が伝えられたのは三週間後である。−




 湯浅記者は続ける。
 −確かに人生いろいろ、悲喜こもごも。車中でプロポーズする若者があれば、死出の旅に出る人もいる。でもジャズを介して、みんなどこかつながっているような気がする−のだと。

 悪相の兄貴分はコルトレーンのこの曲の演奏時間が17分かかることをちゃんと知っていて、終わりまで聴けるように遠回りしてくれと言い、検事は車中で束の間の素顔に戻り、全てを忘れリズムに身を委ねる。七十過ぎの紳士は余命を知り「ひとり残されて」を聴きながら最期を迎える為に静かに家へ戻る。彼らの話は、みんなjazzのフィルターを通して共感出来るから、ホッとして、笑えて、そして悲しいのだ。

 音楽は一人で自己完結出来る愉しみではある。
でも、同じ愉しみ、悦び、悲しさ、切なさを同一の音楽の上で誰かと共有出来るならば、それはさらに素晴らしいことだと思う。そんなふうに思うから自分の好きな音楽を誰かに伝えたい。でも、それは決して自分の気持ちを押しつけることなく。
そう。そんなふうに思うから、僕はこんなブログを書いているんだ。

 いつか安西さんのこのジャズ・タクシーに乗って、好きな音楽の話がたくさん聞けたなら楽しいだろうね。今日はどんな人が、どんな曲をどんな思いで聴きながら、どこへ向かって車は走っているのだろうか。

※ジャズタクシー・安西さんのブログ :
http://jazztaxi.cocolog-nifty.com/jazztaxi/

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、かな?
JAZZっぽいの、好きです。
マイルス,コルトレーンもモンクも、ティルブレナー,PRIDE,綾戸智絵も、アンサリーも好きです。
「JAZZっぽいの、好き?」さんのブログちょっといい感じです。
これからも、読ませていただきます。
danbo
2005/01/17 00:31
danboさん、初めまして。
僕の長ったらしい駄文を読んで下さって、ありがとうございます。昨日丁度アン・サリーのLIVE『ハレルヤ』を偶然にも聴いて居りましたので、danboさんに頂いたコメントを見て嬉しくなってしまいました。

つまらない事を綴って居りますが、またご感想お寄せ頂けると幸いです。
yk2
2005/01/17 13:01
ジャズタクシーの安西です。サンケイの記事一寸過大評価ではないかと思う位読んでて恥ずかしい思いをしました。ジャズタクシー開業時に””見栄を張らない・嘘をつかない・客と楽しむ為に商売は忘れる””をモットーに14年来ました。今の若い人たちもジャズの入り口を捜してるのです。ジャズを難しく考えないで楽しく聴きましょうよ!例えば絵画ですが絵の評論家は抽象画を見て素晴らしいと言うが私には写実的な絵のほうが感動します。100人いればそれぞれ感動の仕方は違う様に自分が感動したものを大事にしましょう。私は若い人々によく言うのは「女を口説くにはジャズだよ」「でもジャズは余り聴いた事がありません」「出来るだけ多くのジャズを聴いて感動した曲をナオン(彼女)と聴いて共感できるようなナオンだったらものに出来るよ!!」と冗談のような本気で話します。

今起きたばかりなので乱筆乱文失礼
今後も宜しく・・ブログのことを良く理解してないのにブログを出してます。教えてください。
Muumi-Papa
2005/01/18 11:46
おー、「ジャズタクシーの安西さん」からコメントついてる
すごい。うらやましいです。
双方向(インタラクティヴって言うんでしたっけ)素晴らしいね。
ご挨拶もなしにお初にお邪魔しました、失礼の段お許しを
ロング(Jazzと古典落語の日々)
2005/01/18 13:28
安西さん:
わざわざコメントお寄せ頂き、ありがとうございました。先ほど、安西さんのブログの方でお礼の書き込みをさせて頂いて来ました。そうなんです、僕はjazzって楽しいもんだと思うのです。オトナが気難しそうな顔して聴くから若者にケムタがられると思うのです。やっぱ安西さんもナオン口説くんでjazzだったんですね(笑)。

ロングさん:
初めまして。まさか安西さんがいらっしゃって下さるとは思いませんでしたので、私が一番吃驚です。ロングさんのブログも見せて頂いておりますよ。大御所に混じってジョシュア・レッドマンやラッセル・マローンの名前もチラホラしているのが嬉しいところです。でも今のトコ日本酒のブログばっかり見てたりして(笑)。
yk2
2005/01/18 22:32
たまたまこのページ読ませていただきました。
私たちがやっているsmoke on the water、「jazzだ!!」って言ってくださると本当に嬉しいです。ありがとう。
よかったらライヴ観にいらしてくださいね。
http://www.friedpride.com
Shiho of FRIED PRIDE
2005/01/25 17:32
Shihoさん、こんなところにわざわざコメント残してくれてありがとうございます。ちょっと冷静を取り繕ってますが、信じられないくらい嬉しいです!。ライブは前々回のmotion blue以来行けてませんが、今年は是非またパワフルでメロウかつスイートなShihoちゃんの声と横田さんの超絶ギター聴きに行きます!!。ずっと応援してますからね。
yk2
2005/01/26 00:40

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